肩こりD(構成U筋肉2)
肩こりには肩周囲の筋肉だけではなく、首や背中の筋肉の緊張も関わってきます。
肩こりに関連する首・背部の筋肉について少し解説します。
T頚部の筋肉
1浅頚筋(せんけいきん):首部の筋肉で表層にある筋肉。
- 広頚筋(こうけいきん)
- 胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
- 胸骨・鎖骨から側頭骨(そくとうこつ)の乳様突起(にゅうようとっき)に付着する左右一対の筋肉。片側が収縮すると首の回旋(振り向き)・側屈(横曲げ)に、両側が収縮すると首の屈曲(前曲げ)に貢献する。
頑固な肩こりがある方は胸鎖乳突筋の緊張が強いことが多いです。
2深頚筋(しんけいきん):頚部の筋肉で深層にある筋肉。
- 斜角筋群(しゃかくきんぐん)
- 前斜角筋(ぜんしゃかくきん)・中斜角筋(ちゅうしゃかくきん)・後斜角筋(こうしゃかくきん)の総称です。
頚椎(けいつい)の横突起(おうとっき)か肋骨に付着し、首の屈曲・側屈、肋骨を持ち上げることで呼吸の補助に貢献する。
前斜角筋と中斜角筋の間の斜角筋隙(しゃかくきんげき)から腕に続く神経・血管が通過すため、何らかの原因で斜角筋が緊張すると腕の痺れる斜角筋症候群(しゃかくきんしょうこうぐん)を起こすことがあります。
- 椎前筋(ついぜんきん)
- 前頭直筋(ぜんとうちょっきん)
頭長筋(とうちょうきん)
頸長筋(けいちょうきん)
外側頭直筋(がいそくとうちょくきん)
U背部の筋肉
1棘椀筋(きょくわんきん)浅背筋(せんぱいきん):背部の筋肉で浅層にある筋肉の総称ですべてが腕の機能と関係を持つ筋肉です。
- 僧帽筋(そうぼうきん)
- 背中の一番表層にある筋肉で上部・中部・下部に分類される。
脊椎骨から肩甲骨に付着し、首の伸展(後屈) 、肩甲帯の拳上・下制・内転・上方回旋して上肢の動作に貢献する。
- 広背筋(こうはいきん)
- 胸椎・腰椎の棘突起(きょくとっき)・正中仙骨稜(せいちゅうせんこつりょう)・腸骨稜(ちょうこつりょう)・肩甲骨下角、肋骨から上腕骨の小結節稜(しょうけっせつりょう)に付着し肩関節の内転・伸展・内旋・水平伸展(外転)する。
- 菱形筋(りょうけいきん)
- 脊椎の棘突起から肩甲骨に付着し、肩甲骨を後ろに引き寄せる筋肉です。頚椎から付着する上部を小菱形筋(しょうりょうけいきん)、胸椎を付着する下部を大菱形筋(だいりょうけいきん)と呼ばれる。
菱形筋の筋力の低下により猫背など不良姿勢になり肩こりの原因にもなる。
- 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
- 頚椎の横突起(おうとっき)から肩甲骨上角に付着し、肩甲骨の挙上(つり上げ)・下方回旋する筋肉。
僧帽筋上部と共に肩こりの原因になる筋肉として有名です。